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ビルトインコンロの設置について知っておきたいこと

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据え置き型のものと比べて、キッチンとの一体感があり、使いやすさや見た目の美しさの点で人気のあるビルトインコンロ。設置するためには様々な準備が必要です。
設置工事を依頼する際の心構えや業者選びのポイント、実際に設置した後に交換などについて解説しています。

ビルトインコンロとは?特徴とメリット

ビルトインコンロが注目される理由

ビルトインコンロとは、システムキッチンやカウンターに一体化して設置されるコンロのことです。見た目がスッキリしていてお手入れしやすく、さらに火力調整や安全機能などが進化しているため、多くの家庭で採用されるようになりました。近年では住宅のリフォームや新築時に「使い勝手と美観の両立」を求めて選択されるケースが増えています。

たとえば、据え置き型のガスコンロの場合、周辺のスペースが取りにくかったり掃除がしにくかったりといった不満が出ることがあります。一方、ビルトインコンロはキッチン全体と一体化しているので、汚れがたまりやすい隙間が減り、作業スペースも確保しやすい点がメリットです。さらに、デザイン性の高いタイプが多いため、インテリアの美しさや統一感にこだわりたい方にも好評です。

ビルトインコンロがもたらす主なメリット

見た目の美しさと統一感

天板の素材や色をキッチンに合わせられるため、高級感がアップします。余計な隙間や段差が少ないので、全体としてスタイリッシュな印象を与えられるのも魅力です。

作業効率の向上

据え置き型と違い、キッチン周りの動線がすっきりする場合が多いです。加えて、多くの機種には安全センサーや自動火力調整といった機能が備わっており、家庭料理やお菓子作りなどでの火加減調整が容易になります。

お手入れのしやすさ

天板がフラットになっているタイプが多く、普段の拭き掃除がスムーズに行えます。油ハネや吹きこぼれなども、拭き取りやすい素材や設計が採用されているため、日々の清掃時間が短縮しやすいです。

住宅の資産価値向上

新築やリフォームでビルトインコンロを採用すると、キッチン全体が洗練された印象になることから住宅の評価が高まることもあります。特に、売却や賃貸に出す際、バリューを高める一因になり得ます。

ビルトインコンロとは何か

ビルトインコンロの基本構造

ビルトインコンロは、キャビネットやカウンターの中に組み込んで設置するコンロです。従来の据え置き型と比べると、以下の点で構造がやや複雑になります。

専用の固定枠

キッチン天板と同じ高さに合わせるための枠や金具が必要です。天板の寸法に合うようにコンロ側を設計しており、隙間がほとんどできないよう作られています。

ガス配管または電気配線

ビルトインコンロの場合、機器の内部にガスホースや電気配線が直接つながる構造で、安全装置やセンサー類が一体化していることが多いです。ガス式の場合はガス管の設置、IHの場合は専用電源の確保といった作業が伴います。

グリルやオーブンの一体化

機種によっては、グリル(魚焼きグリルなど)やオーブンが組み込まれているタイプがあります。これらが連動することで、調理の幅が広がり、キッチンの利便性を高めています。

ビルトインコンロを導入する前に知っておきたいこと

キッチンのレイアウトとの相性

キッチンの天板サイズや収納スペースの大きさなど、空間に合わせて適切な機種を選ぶ必要があります。事前に寸法の確認やシミュレーションを行っておきましょう。

リフォーム工事が必要になる場合

既存のキッチン天板がビルトイン対応でなければ、切り出し作業や取り付け枠の設置といった加工が必要です。新品やリフォーム時に一体型キッチンを採用することで、よりスムーズに導入できるケースもあります。

メーカーやブランドの違い

ガスコンロ専門メーカーが提供するビルトインコンロと、家電メーカーが提供するIHコンロは、それぞれ特有の強みがあるため、購入前にいくつかの製品比較を行うと理想的です。

ビルトインコンロの選び方

選定ポイント1:ガス式かIH式か

ビルトインコンロには、ガス式とIH式(電気式)の2種類があります。どちらを選ぶかで火力やランニングコスト、安全性に違いが出ます。

ガス式

直火調理ならではの強い火力と、炎の見える安心感を好む方に向いています。火加減の微調整がしやすく、すぐに思い通りの火力を得られるため、炒め料理や煮物に強いのが特徴です。ガス漏れ防止策なども最新機種では整備されており、安全面でも大きく進化しています。

IH式

電磁誘導加熱により、鍋底そのものを加熱します。空気を加熱しないぶん、キッチンの温度が上がりにくく、夏でも比較的快適に調理できるのが魅力です。また、燃焼による二酸化炭素を排出しないため、空気の汚れが少なく、掃除もしやすい傾向にあります。ただし、専用の電気工事が必要になる場合があるので注意しましょう。

選定ポイント2:サイズと設置場所

ビルトインコンロは60cm幅と75cm幅が主流ですが、キッチン全体の広さや調理スタイルによって最適なサイズは異なります。たとえば、狭いキッチンでも大きめの鍋やフライパンを多用する方は75cm幅を選びがちです。しかし、十分なスペースを確保できない場合は60cm幅が無難な選択になるでしょう。
また、グリルやオーブン付きモデルでは奥行きが異なる場合もあるため、設置時の寸法は事前に正確に測っておく必要があります。

選定ポイント3:安全装置や操作性

ビルトインコンロには、火が消えたときのガス遮断装置や、焦げ付き防止センサー、チャイルドロック機能など、多様な安全・便利機能が搭載されています。最新モデルではさらに進化が進んでおり、タッチパネル操作や温度管理システムがより精密になっています。これらの機能は調理の精度を高めるだけでなく、家族の安心にもつながるので、価格だけでなく機能面でもしっかり比較しましょう。

選定ポイント4:デザインとメンテナンス性

ビルトインコンロは目立つ場所に設置されるため、デザインの好みに合わせることも重要です。ガラストップやステンレストップなど、素材によって見た目や掃除のしやすさが変わってきます。ガラストップは油汚れを拭き取りやすく、ステンレスは傷に比較的強いなど、それぞれ特徴があります。美観とメンテナンス性のバランスを考えながら選ぶのが理想です。

ビルトインコンロの
取り付け費用

ビルトインコンロの取り付け費用は、機器の価格と工事費用によって異なります。わかりやすく解説しています。

取り付け費用の内訳

ビルトインコンロの取り付けには、大まかに以下の費用が含まれます。

本体価格

コンロ本体の価格は、機能やデザイン、ガス式かIH式かによって大きく異なります。安価なモデルでは数万円、高機能モデルでは10万円以上になることもあります。

設置工事費

新規にビルトインコンロを取り付ける場合は、既存設備の撤去やキッチン天板の加工費、ガスや電気配線の調整費などが発生します。2万円~5万円程度が一般的な目安ですが、リフォーム規模によってさらに加算される場合もあります。

オプション追加費用

グリルやオーブンを同時に導入する、専用の換気扇との連動機能を付けるなど、オプションを追加するとその分の費用がかかります。機能面を充実させたい方は、オプションの総額を含めて検討してください。

費用を抑えるコツ

複数社の見積もりを比較する

取り付け費用は業者によって差が大きいため、少なくとも2~3社から見積もりを取得して比較することをおすすめします。

キャンペーンやセール時期を狙う

年末や年度末にかけてキャンペーン価格が適用されるケースもあります。タイミングを合わせると費用が抑えられる可能性があります。

キッチンリフォームとの同時進行

キッチン全体をリフォームするタイミングでビルトインコンロを取り付けると、配管工事や天板加工が一度に済むため、トータル費用が割安になることもあります。

ビルトインコンロの交換
【ガスからIHへ】

ガスコンロからIHコンロへの交換は、人によっては光熱費の削減や安全性の面で大きな利点があります。交換するとよいことについて簡潔に説明しています。

交換前にチェックしたいポイント

ガスコンロからIHコンロへ交換する際は、次の点をあらかじめ確認することが大切です。

専用回路と電気容量

IHコンロは大きな電力を消費します。ブレーカー容量や配線状況によっては、専用の電気工事が必要です。電気会社や施工業者に相談し、家庭内の契約アンペア数で十分対応できるかを確認しましょう。

調理器具の互換性

IHコンロでは専用の鍋やフライパンが必要となる場合があります。磁力に反応する素材で作られた調理器具でなければ加熱できないため、調理器具を一新する費用も考慮しておきましょう。

料理の仕上がりの変化

炎が直接見えないことに慣れない方もおり、焦げ目の付け方や炒め物の火力調整が異なると感じる場合があります。IHならではの特徴を理解し、料理スタイルに合うか事前に検討することが大切です。

ガスからIHへ交換するメリット

火災リスクの低減

炎を使わないため、油はねやふきこぼれからの引火リスクが少なくなります。小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、心理的安心感が高いと言えるでしょう。

夏場の暑さ対策

炎が上がらないぶんキッチンの気温上昇を抑えやすく、夏場の調理が楽になります。

掃除のしやすさ

IHのトッププレートはフラットなので、油汚れをサッと拭きやすく、日々のメンテナンスが簡単になります。

ビルトインコンロの接続のみの工事費用

ビルトインコンロの接続工事の費用には、コンロそのものの価格はもちろん、材料費や人件費が含まれています。費用の内容について詳しく解説しています。

接続のみの工事とは

すでにビルトインコンロを設置できるスペースが確保されており、コンロ本体をはめ込むだけの状態にある場合などに行われるのが、「接続のみの工事」です。大がかりな天板の加工やリフォーム作業はせず、主に下記の内容を行います。

ガス管または電源の接続

ガスの場合はガスホースやガス栓に接続し、気密性を確認する。IHの場合は専用回路の電源を接続し、過負荷がないかをチェックする。

試運転と安全確認

バーナーの点火やIHの加熱テストを行い、安全装置の作動を確かめる。

接続のみの工事費用の相場

大がかりな工事を伴わないため、2万~5万円程度がひとつの目安とされています。ただし、ガス栓の位置を移動する必要がある場合や、電気の容量不足により配線を追加する必要がある場合は、別途費用が発生することがあります。費用を正確に把握するには、現地調査を行った上で複数業者の見積もりを比較するのがおすすめです。

接続のみ工事を依頼する際の注意点

資格保有者による施工

ガス配管や電気工事は、有資格者による安全な施工が義務付けられています。DIYを試みると、ガス漏れや感電などの重大トラブルを招く可能性があるため危険です。

メーカー保証の確認

コンロ本体の取り扱い説明書や保証規定に「指定業者による施工」を条件としている場合があります。正規の工事手順を守らないと保証が効かなくなるケースもあるので注意してください。

ビルトインコンロの交換工事の流れと所要時間

交換工事の主なステップ

事前相談・見積もり

まずは現在使用しているコンロの種類やキッチンの寸法、ガス・電気配線状況などを業者に伝えて見積もりを取得します。必要に応じて現地調査が行われ、工事費用や必要な部材が確定します。

施工日の調整

業者から提示された費用や工期を了承したら、施工日程を決めます。交換自体は1日で完了するケースが多いですが、配管の大幅な変更や天板加工が伴う場合は複数日かかることもあります。

既存コンロの撤去

当日はガス栓やブレーカーを落とし、古いコンロを取り外します。撤去時に生じた汚れや油のこびりつきを清掃しておくと、新しいコンロの設置がスムーズです。

新コンロの設置・接続

キッチンの開口部に合わせて新しいビルトインコンロをはめ込み、ガスまたは電気をつなぎます。接続の際は、ガス漏れや通電のトラブルがないか丁寧に確認します。

試運転と最終チェック

炎の状態やIHの加熱具合、センサーや安全機能の作動を確認して完了です。使い方の説明や取扱説明書の確認もこのタイミングで行われます。

作業にかかる所要時間

一般的に、既存コンロの撤去と新コンロの取り付けだけであれば1~2時間程度です。ただし、天板の切り出し作業や配管位置の変更などが必要な場合は、半日から1日がかりとなることもあります。
また、ガスや電気配線が老朽化している場合は、それらの交換も同時に行うと作業時間が延びます。トラブルを未然に防ぐためにも、現地調査や事前打ち合わせをしっかり行って、余裕のあるスケジュールを立てることをおすすめします。

ビルトインコンロを自分で取り付けるには

自分でビルトインコンロを取り付ける際には、正確な測定と基本的な工具が必要となります。また、素人が一人でできる作業ではなく、適切な資格と技術が必要です。こちらでわかりやすく解説しています。

DIYで行う際の注意点

法的・安全面の確認

ガス配管の接続は資格が必要です。資格を持たない人がガス管を扱うのは法律で禁止されています。したがって、基本的にはDIY作業は「コンロ本体を据えるだけ」の工程にとどめ、ガス接続や電気配線は有資格者に依頼すべきです。

天板の寸法に合わせた加工

キッチン天板が既にビルトイン対応に加工済みであれば、必要な作業は少なくなります。しかし、開口部が合わない場合は天板の切り出しが必要となり、高度な道具と作業技術が求められます。

事故リスクの回避

万が一、ガス漏れや誤配線が起きた場合、火災や爆発など重大事故へ発展するリスクがあります。素人が判断できない部分も多いため、どうしても自分でやりたい場合は、取り付け自体は行っても最終的な接続は必ず専門家にチェックしてもらうようにしましょう。

ビルトインコンロの替え時

ビルトインコンロの替え時は、効率低下や故障が目立ち始めたときです。交換を考えるべきサインについて、わかりやすく説明しています。

交換を検討すべきサイン

火力の低下

以前よりお湯が沸くのに時間がかかる、炒め物に十分な火力が得られないなどの場合、バーナーの故障や全体の劣化が原因かもしれません。

点火トラブル

スイッチを押しても火がつかない、火が安定しないといった症状が頻発する場合は、内部部品の磨耗や安全装置の故障が考えられます。

異臭や焦げ臭いにおい

ガス漏れが起きている可能性があるほか、センサー類が働いていない恐れもあります。安全面からも速やかに業者に点検を依頼しましょう。

グリルやオーブンの動作不良

焼きムラが激しい、点火しにくい、温度が安定しないといった問題が起きたら、交換を検討するタイミングに差し掛かっていると考えられます。

替え時を逃さないための対策

定期点検を受ける

年1回程度、ガスや電気設備の点検を受けることで劣化状態を早期発見できます。

修理費と交換費の比較

修理費が高額になる場合や部品が入手困難な場合は、思い切って新品に替えたほうが結果的にコストを抑えられるケースもあります。

最新機種の動向をチェック

安全機能や省エネ性能などが年々向上しているため、故障を機に新機種へリプレイスするのは合理的な判断につながることが多いです。

ビルトインコンロの寿命を延ばすお手入れ方法とNG行動

日常的なお手入れポイント

調理後の拭き掃除

油汚れや焦げ付きは時間が経つほど取れにくくなります。温かいうちに濡れた布でサッと拭くだけでも効果的です。

五徳やバーナーキャップの定期洗浄

取り外せるパーツは中性洗剤を使ってこまめに洗うと、燃焼部分の目詰まりを防ぎ、火力低下を予防できます。

グリル内部の清掃

グリルを使用した際の油はねを放置すると、匂いや煙の原因になるだけでなく故障リスクも高まります。取り外し可能な受け皿はしっかり洗い、内部も拭き上げましょう。

定期メンテナンスと点検の重要性

年1回程度の専門点検

バーナー部分の劣化やガス配管の状態など、ユーザーが判断しにくい箇所をプロに見てもらうことで、大きなトラブルを未然に防げます。

密閉パッキンや電極のチェック

シール材が劣化して隙間が生じるとガス漏れに直結する恐れがあります。また、点火用の電極が焦げ付いている場合は着火不良を招くため、適宜掃除や交換を検討してください。

避けたいNG行動

金属たわしや強力洗剤の使用

ガラストップやホーロー表面を傷つけたり、コーティングを剥がしてしまう恐れがあります。中性洗剤と柔らかいスポンジを使うのが基本です。

DIYでのガス配管いじり

ガス配管の扱いには資格が必要です。勝手に触ると火災リスクがあるだけでなく、メーカー保証が効かなくなる場合もあります。

長期間の汚れ放置

焦げや油汚れが積み重なると、いざ掃除しようとしても落としきれず、内部部品が傷むスピードが加速します。日々の軽い掃除を怠らないことが肝心です。

ガスコンロの交換【据え置きからビルトインへ】

据え置き型のガスコンロからビルトイン型への交換をすることで、キッチンの使いやすさ・見た目がアップします。そのメリットをわかりやすく説明しています。

ガスコンロの交換業者の選び方

ガスコンロの寿命や交換時期・業者の選び方を詳しく紹介しています。 リフォーム会社、ガス会社、家電量販店など、業者ごとの特徴やメリット・耐久性を比較し、最適な業者を選ぶためのポイントをまとめました。交換のサインや見積もりの​​チェックポイント、アフターサポートの重要性についても解説していますので、ガスコンロ交換をお考えの方は参考にしてください。